「近隣トラブル」ランキング
2024年07月28日 18:04
■「近隣トラブル」ランキング
どんなことで悩んでいるの?
代表的な「近隣トラブル」といえば、生活音や騒音に関する問題ですが、実はそれだけではありません。特にマンションでは、たくさんの世帯が共に生活し、それぞれのライフスタイル・価値観を持っています。
そのため、ほんの些細なことから苦情になってしまい、中には警察に仲介に入ってもらうようなトラブルに発展することも実際にあるのです。
できることなら避けたい「近隣トラブル」。マイホームを検討中の方も、現在、この手のトラブルで悩んでおみえの方もどうか参考にしてみてください。
■よくある「近隣トラブル」10選
まずは、「近隣トラブル」にはどのようなものがあるのかを確認していきましょう。
1位. 生活音・騒音
2位. ペットの飼育、マナー
3位. タバコのマナー
4位. ゴミの出し方や分別
5位. 玄関前や廊下などの共有部分の使い方
6位. 車や駐車場の使い方
7位. あいさつ
8位. タバコを除く異臭
9位. 覗きなどの嫌がらせ
10位.バルコニーなどの共用部での植物の育て方
以下では、上位7位までの項目について、具体的にどういったトラブルに発展するのかを紹介していくことにします。
1位.生活音・騒音
トラブルに発展する生活音には、掃除機やドライヤー、テレビや換気扇を使用する音、ドアを閉める音やトイレの水を流す音、他には携帯電話を床に置いた時の着信バイブレーションが鳴る音などが含まれます。
また、子どもの走る音や赤ちゃんの泣き声も、マンションの構造によってはトラブルの原因になり得るでしょう。
一方の騒音には、大音量での音楽や楽器の演奏、必要以上に大きな声での会話やけんかの怒鳴り声などが含まれます。
原因を作っている方が、思っている以上に音が大きく響いている場合もあるため、解決することが難しいトラブルのひとつと言えます。
(※トラブル回避のコツ②「騒音」は罫線部分をクリックしてください。)
2位.ペットの飼育、マナー
ペットの飼育やマナーがトラブルの原因になるのは、ペット可のマンションの場合がほとんどです。動物の鳴き声やにおい、糞尿の始末などさまざまな原因が考えられます。
各マンションが住民の快適な生活を守るために定められている「ペット飼育規則(細則)」を守らない飼い主がいることも、トラブルの大きな原因になります。ペットを飼う人と飼わない人の間のペット飼育方法についての認識の差もあるため、トラブルを招きやすいという側面があると考えられます。
(※最近こんな相談が増えています(4)は罫線部分をクリックしてください。)
3位.タバコのマナー
タバコを吸う人と吸わない人との喫煙マナーの認識の差が大きいためにトラブルになるのが、タバコに関するトラブルです。ベランダなどで喫煙していたとしても、タバコの煙が上下階や近隣の部屋の窓からその室内に入ると、当然にして苦情の原因になります。
また、喫煙者のマナーが悪く、ポイ捨てや共用部分での喫煙がトラブルの原因になるケースも考えられます。
4位.ゴミの出し方や分別
別の地域や自治体から新しく引越して来た人が、引越しした先のゴミの出し方や分別を守らずにトラブルになる場合もあります。これならまだ出し方や分別方法を知ってもらえれば解決できますが、「ゴミ出しの日時を守らない」「ゴミ袋の口がきちんと閉められていない」といった問題の解決は簡単ではありません。
また、ゴミには大いにプライバシーが含まれています。そのため、ゴミを通じたプライバシーの侵害が原因でトラブルが起こるケースも考えられます。
5位.玄関前や廊下など共用部分の使い方
「車のタイヤや部品、(古くなった)ベビーカーや子どものおもちゃなどを置いたままの住民がいる」「放火の危険のあるダンボールや古新聞や雑誌などの可燃物を廊下に放置したままの住民がいる」「駐輪場があるにもかかわらず、廊下などの共用スペースに自転車を停めている住民がいる」など、共用部分の使い方もトラブル原因のひとつです。
各マンションには、それぞれのルールがあるものの、共用部分を巡るトラブルの原因となる人は、ルールやモラルが通用しない場合も少なくありません。
6位.車や駐車場のマナー
「周辺への路上駐車」「早朝や夜間にエンジン音がうるさい」「隣の住民の知人が、勝手に自分の駐車スペースに車を停めていた」など車や駐車場でのトラブルが起きるケースも少なくありません。
他のパターンでも同じですが、どのくらいのエンジン音がうるさいかというのは個人差があります。周辺への路上駐車についても感覚に個人差があります。従って、今まで問題にならなかったものが、新しい住民の価値感で問題視されるという可能性もあります。
7位.あいさつ
「あいさつをする・あいさつをしない」も想像以上に多いトラブル原因のひとつです。
2016年11月4日付の神戸新聞には関西地方にあるマンションで、敷地内の住民のあいさつ禁止がルール化されたことが紹介されていました。このようなルールができた発端は、マンションの管理組合の総会で、小学校の子どもをもつ親御さんから「知らない人から挨拶されたら逃げるように教えている。マンションで挨拶するのはやめて欲しい」という要望があったためだそうです。この提案に対して、年配層の住民も「あいさつがなく、気分が悪かった」と言い始めたそうで、あいさつ禁止のルールに至ったそうです。
このニュースに対しては、当時も賛否両論があり、マンションでのあいさつにおける問題の重要性を物語っている一例と考えられます。
■トラブルに巻き込まれたらどうする?
もし「近隣トラブル」に直面したら、皆さんならどのように対処するでしょうか?
(1)直談判や壁を叩いてみる。本当に効果はあるの?
もっとも手っ取り早いのが、「相手に直談判する」という方法です。生活音や騒音がトラブルの原因である場合は、うるさい部屋の壁を叩いて迷惑していることを伝えるという方法も考えられます。直談判されたり、壁を叩かれた相手方は、自分が問題のある行動をしていたと気づけるので、効果がないわけではありません。
しかし、同時にさらなるトラブルに発展するリスクも抱えています。直談判しに行って逆上されたり、壁を叩いたら相手が部屋にやってきて喧嘩になったりする可能性もあるでしょう。従って、この対処法はほとんどギャンブルのようなものなのです。双方が安全に、かつ納得できる結末を迎えるためには、別の方法を検討する必要があるかもしれません。
(2)管理会社や自治体に相談をしよう
まず、「管理会社」が住民間のトラブルに対応してくれるかどうかを確認してみましょう。
多くのマンションで、「管理会社」は住民間のトラブルにも対応してくれるはずです。しかし、「管理会社」によっては、「住民間のトラブルには一切介入しない」とするところもあるそうです。そのため、「近隣トラブル」に直面したら、まず「管理会社」に対応の可否を確認することが一番になります。ただし、「管理会社」が対応してくれるといっても限度があります。騒音を出す住民に注意する手紙を送ったり、電話で連絡することは可能でも、実際に話し合いの場を設けたりすることはほとんどありません。そのため、どんなことを実際にやってくれるのかを確認しておくことも必要だと思います。
また、住んでいる「自治体」の市役所や区役所に相談する方法もあります。「各自治体」には、日常生活に関する相談を受け付けている「生活課」という窓口があり、そこでは「近隣トラブル」の「相談」も受け付けてくれるそうです。「自治体」は、トラブルの原因となっている相手と直接交渉をしたり、問題解決のための手続き代行をしたりといった対応は当然してくれません。あくまで、「相談」に対する「助言」をする、というスタンスをとっているに過ぎません。
とは言え、客観的に、あるいは法的な視点から自分に何ができるのかを明確にするためなら、「自治体」への「相談」は大いに役立つと言えます。「近隣トラブル」への具体的な対処法としては、管理組合の「理事会」に対応を依頼するのも有効だと思います。「理事会」は、管理組合の業務を遂行する機関です。相談先として、「理事会」のほかに「自治会」も考えられます。
(3)それでもダメなら、警察や弁護士に相談する
「管理会社」や「自治体」の対応では状況がなかなか改善されない場合は、「警察や弁護士」に相談すれば法的な措置を取ってもらえる可能性もあります。ただし、法的な措置を取る場合は費用がかかり、打合せ時間なども相当かかりますので、冷静に判断するようにしましょう。
(4)住まい購入の前に、できる限り確認する
「近隣トラブル」をできるだけ避けるためには、「実際にマイホームを購入する前に、できる限り事前に確認すること」は大変重要なことだと思います。
・自分のライフスタイルと既存の住民のライフスタイルにズレはないかを確認する。
特に、上下左右の住民の家族構成などは、できる範囲で確認することをおすすめします。
・ゴミ捨て場や駐輪場などの共用部分は適切に利用されているかを確認する。
共用部分の使い方にはマンション全体のモラルが現れます。ゴミが散乱していないか、乱雑に駐輪されていないかなどを確認しましょう。
・現時点で、「近隣トラブル」は起きていないかを確認する。
不動産会社だけでなく、管理人さんや売主さんにも「近隣トラブル」の有無を確認しましょう。
・近隣へきちんと「引越しのあいさつ」をしましょう。
(※豆知識③「引越しのご挨拶」は、罫線部分をクリックしてください。)
(5)自分がトラブルの原因を作らないように注意する
自分がトラブルの原因にならないことも大切です。「近隣トラブル」が起きるのは、他の住民と行動範囲が重なるところ、生活時間帯がズレるところです。エントランスや郵便受け、エレベーターや駐輪場にゴミ置き場、共用廊下やバルコニーに階段など、共用部分での行動には十分に注意が必要です。
また、他の住民が寝ている時間帯に自分が行動する場合にも、できる限り静かに行動することを心がけなければなりません。自分は気にならないことでも、周囲の住民は意外と気にしており、不満に繋がることも多いと言えます。「人のふり見て我がふり直せ」というように、近隣住民に不満を感じたら、まず自分自身の生活も振り返ってみましょう。
ご家族が気持ちよく、長く暮らしていくためにも、ご近所さんへの「配慮やマナーが肝心」の心構えで、「仲良く、謙虚に!」をモットーに挑んでみてはいかがでしょうか!