トラブル回避のコツ⑤「空家・空地」
2024年07月28日 17:34
■トラブル回避のコツ⑤「空家・空地」について
長期間利用されていない、いわゆる「空家・空地」を所有していると、維持管理や放置リスクが伴うことになります。
日本各地で「空家・空地」が増加しており、もう他人事ではないのです。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行に伴い、今後所有者の負担がより一層強くなってくると考えられます。
■「空家・空地」のリスク
「空家・空地」を放置すると、以下のような「リスク」や「デメリット」が生じると考えられます。
この「リスク」や「デメリット」は、放置期間が長ければ長いほど大きくなるため、できるだけ早期の対策が必要だと思います。
●税金のリスク
現在住んでいる一戸建てやマンションと同じく、使用していない空家・空地であっても所有しているだけで「固定資産税・都市計画税」の税金は発生します。
また、空家・空地が相続対象なら相続税の課税対象にもなると言えます。空家・空地は所有しているだけで税金負担のリスクがあるということです。
●維持管理のリスク
一戸建ては「木造」であることが多く、「木造」は鉄筋コンクリート造に比べて劣化が早いと言われています。
そして、空家になると劣化だけではなく「シロアリ被害」などに遭う可能性もあります。
また、適切な管理が行き届いていない空家・空地は「不法投棄の対象」となるリスクもあり、「庭木の隣地越境」や「雑草の繁茂」は、近隣トラブルの原因に繋がることも考えられます。
このような不適切な維持管理は、不動産の価値を大きく下げる要因になりますし、「空家・空地」の売却や活用を検討するのであれば、放置すればするほどかなりの損失になると思います。
●屋根や外壁などの倒壊、剥離や飛散によるリスク
一般的に木造住宅の寿命は「25年」が目安とされています。築年数が経過すると経年変化、単純劣化が進んでいきます。
特に、なんの手入れも行われず老朽化した空家は、屋根や外壁などが倒壊、剥離や飛散する恐れもあります。
万が一、これらが原因で通行人や近隣住民に怪我や迷惑をかけてしまった場合は、所有者がその責任を負わなければなりません。
※「空家・空地」の継続所有については、このタイミングで将来どうするのかをしっかりと話し合って、保有するためのリスク等も考えたうえで、活用の予定がないようであれば売却をすることを強くおすすめ致します。
■「空家等対策の推進に関する特別措置法」について
●制定の背景・趣旨について
近年、人口減少や高齢化の推進等により適切な管理が行われていない「空家」が増加しているが、こうした空家に起因し、防災面(倒壊のおそれ等)、衛生面(雑草の繁茂、ゴミの不法投棄等)、景観面(街並みが歯抜けになる等)、防犯面(不審者の居住等)等、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていること。また、条例を制定して空家対策に乗り出す自治体は増加しているが、自治体レベルの権限には限界もあるということで公布・施行された法律です。
●定義について
①この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに付属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地ということとされました。
②この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態又は著しく衛生上有害となる恐れのある状態、適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいうこととされました。
●「特定空家等」に対する措置について
住宅が建てられている土地は「固定資産税の住宅用地の特例」が適用されることにより、固定資産税の税額が6分の1あるいは3分の1まで減税されています。
しかし、「特定空家等」に認定されると、この特例が適用できなくなります。特例適用ありの場合の約5倍の固定資産税がかかってしまうなど維持管理費の負担が増大します。
最近では、「行政代執行」による「強制解体」も増えてきているようですが、いきなり「特定空家等」に認定されたり「強制解体」されるわけでは決してありません。
「空家」を放置しておくと“害”が発生する可能性のある所有者に対して、まず行政から適切な管理を行うよう助言又は指導があります。改善されないと相当の猶予期間をつけて勧告し、これに対応しなければ改善命令に移行し、命令にも従わないと「特定空家等」と認定されることになります。行政代執行により強制解体されると、その費用と罰金が課せられることになるため、なるべく早期に対応するようにしましょう。
●このタイミングで売却を考えてください。
「空家・空地」の継続所有、特に「放置」は、金銭面でさまざまなリスクがあります。
この法令によって、所有者には適切な維持管理が求められるようになりました。
継続所有していた「空家・空地」を是非このタイミングで売却について考えてみてください。
そして、不動産の売却を考えておみえでしたら、資産価値の減少や経年変化などを考慮するとなるべく早めの行動がおすすめだと思います。
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