トラブル回避のコツ②「騒音」
2024年07月28日 17:32
■トラブル回避のコツ②「騒音」について
「不動産取引」を考えたときに「マンション」で一番トラブルが多いのが“騒音”です。
■「騒音」は非常にデリケートな問題です。
一戸建てに比べて、「マンション」に住むときに気になるのが「音」の問題です。
「音」については、個人差もあり、非常にデリケートな問題だと言えます。
そのため、残念ながら、マイホーム購入に備えて全てを事前に予測してトラブルを防止することは不可能です。
●「鉄筋コンクリート」でも騒音問題が起きてしまう理由
「鉄筋コンクリート」の物件では騒音トラブルが起きないかというと、そんなことはありません。
同じ鉄筋コンクリートの物件でも、防音性の高さは物件によって様々です。
構造面で意外と見落としがちなのが窓。建物の中というより外の騒音が原因ですが、窓の構造や取り付け位置によって、防音性が著しく低くなってしまうことがあります。
また、静かに暮らせるかどうかは、同じマンション内にどんな住人(居住者)がいるかによっても変わってきます。
スリッパのパタパタ音などの足音は、上の階の住人が直接床を振動させるため、鉄筋コンクリートの物件でも非常に響きやすいのです。子供の鳴き声やペットの鳴き声、ピアノなどの楽器の音などの大きな音も、完全にシャットアウトするのは正直むずかしいと言えます。
●防音性が高いマンションを選ぶメリット
音に対してそこまで敏感でないという人でも、防音性の高い物件を選ぶことによって得られるメリットがあります。
①保温性がある
防音性が高いということは、壁の密度が高く窓の構造もしっかりしているということです。そのため外気が室内に入りづらく、室内の熱が外に逃げにくいので保温性が高くなります。
②気楽に生活できる
防音とはなにも、外から入ってくる音を遮断するだけではありません。自分自身が発する音も遮断してくれるのです。
マンションには多くの人が暮らしているので、他人の生活音が気になってしまう人もいます。
自分の生活音が、隣人にとって騒音になってしまうかもしれません。
また、子供がいたり、ペットを飼っていたりする人は、どんなに気をつけていても大きな音をださないようにすることはむずかしいものです。
近隣トラブルに巻き込まれることを未然に防ぐためには、防音性の高い物件を選んでおいた方が得策だと思います。
■静かな環境で暮らしたい!
「音に対して敏感だから周囲の住人の生活音が聞こえにくい物件に住みたい」「近隣住民とトラブルが起こらないように防音性の高さを重視したい」という方は、図面を見たとき、内見(見学)したときにチェックしておいたほうが良い7つのポイントがあります。
(1)周辺に幹線道路、駅、学校など人が集まりやすい施設はないか?
(2)過去に騒音トラブルが起きていないか?
(3)居住者の家族構成はどうか?(ペットを飼っていないか?子供がいるか?)
(4)角部屋か?最上階か?1階か?
(5)ゴミ捨て場、駐輪場、郵便受けはきれいになっているか?
(6)自分の家にいる時間帯が静かかどうか?
(7)建築構造は「鉄筋コンクリート」か?
●騒音トラブル事例を知って回避の参考にしてください。
防音性が低い物件に住むと、自分が音を発してしまう側としても、騒音に悩まされる側としても、住人同士のトラブルに巻き込まれる可能性が高まります。騒音問題はマンション等の集合住宅で起こりやすいトラブルのひとつです。実際に多くの事例があります。
★トラブル①:ペット可の物件
ペット可の物件は、トラブルが起きにくいように防音性が高い場合がほとんどです。ペット不可の物件であれば、明らかに飼っている住人に非がありますが、ペット可の物件の場合、責任の所在がむずかしく、対策がなかなか打てないのが実態です。自分がペットを飼うにしろ飼わないにしろ、ペット可の物件に住むときは騒音トラブルが起きる可能性があることも覚悟しておきた方がよいかもしれません。
★トラブル②:生活時間の違いが原因
それぞれの家族の生活時間帯が違う場合、騒音トラブルが起こりやすくなります。とくに深夜・早朝は当然ですが、住んでいる住人全員が配慮する必要があります。
★トラブル③:仕方がない生活音
“音”に対する過敏さは人それぞれです。洗濯機や掃除機の音といった自分ではどうしようもない生活音でさえ我慢できないという人も実際にいます。自分がどんなに気をつけていても、そういった人が隣や上下階に住んでいたらトラブルの避けようがありません。ただ、神経質な人が住んでいる物件は以前に近隣トラブルを起こしている可能性もあります。不動産会社か管理会社にトラブルの有無を確認するようにしましょう。近隣トラブルに関する告知事項は、知っている場合は必ず知らせるべき重要事項です。
●管理会社に相談する
当人同士のトラブルを避けるために、まず相談すると良いのがマンションの管理会社です。管理会社からの働きかけで、敷地内に注意を促す張り紙を貼ってもらったり、定期総会で注意を促すなどしてもらって様子をみます。しかし、管理会社の担当者でも行動できる範囲には限界があります。また、階や隣人などピンポイントな住人に直接的な注意をしてしまうことで、相談住人が特定されてしまうリスクが発生します。ただ注意をしてもらうのではなく、住民関係に配慮した対応を希望するのがコツです。
●割と大きなトラブル回避のコツ
毎日の生活を行ううえで、生活音は必ず発生します。防音性に優れたマンションを購入するのに越したことはありません。あと、日常的に隣や上下階の住人の方とは、挨拶を交わし、顔見知りになっておくだけでも、騒音問題の融和は期待できます。他人からの騒音は、やはり “相当なストレス” につながります。しかし、お互いの顔や家族構成を把握していることで、「小さな子供がいるからある程度は仕方ない…」と配慮してくれる方もたくさんいらっしゃいます。購入時における最低限の確認は不可欠ですが、それと同様に普段から人間関係を良好に保っておくこともトラブル回避につながる割と大きなコツだと思います。